【なお】言葉の威力を侮らないこと!


言い換えるだけで、こんなに変わる!?

こんにちは。なおです。

言葉は面白いもので、ほとんど同じ意味を持つ言葉でも、それぞれのニュアンスには明確な違いが出ます。

非ネイティブだとあまり違いがわからないのですが、ネイティブ同士、つまり、「日本人と日本人が、日本語で意思疎通する」シーンでは、この細かな違いがよく表れます。

なかなかどうして、言葉の威力は侮れない。

今回の話を、ぜひワードセンスを磨くきっかけにしてもらえればと思います。

言葉の威力を知ろう

コピーライティングの世界では伝説的な人物であるジョン・ケープルズは、

「repair(修理する)」「fix(元通りにする)」に言い換えて、売上を20%引き上げたという逸話があります。

どちらも、大雑把に言えば「直す」という意味の単語。

しかし、「repair」は、より大掛かりなイメージで、ぶっ壊れたモノを修理するといった感じでしょうか。

一方の「fix」は、もっとカジュアルで、サッと修正するようなニュアンスを持っています。お手軽で、より深刻ではないイメージと言いましょうか。

単に「意味が通じる」の先に、深遠な世界が広がっていることを知らなければなりませんね。

ほんの些細な言い換えが、大きな印象の違いになり、大きな売り上げの差になることもあるのです。

こんな言い換えもある

イメージとしては、

  • よりキャッチーな表現にできないか?
  • より悪印象を避ける表現にできないか?
  • より引っ掛かりのない表現にできないか?

を意識すると良いですね。

最近の話題だと、「外国人排斥」と言うよりも、「日本人ファースト」と言った方が聞こえは良い。いや、これは意味もだいぶ違うか(政治の話題はあまり適切でないので、深入りせんでおきましょう)。

いくつか例を出してみましょうか。

必ずしもこう言い換えて欲しいわけではありませんが、イメージは伝わるかなと。

贅沢→自分へのご褒美

「贅沢」は、本来なら悪い言葉ではないでしょう。むしろ、バブルのような時代には、ポジティブな響きであったかもしれません。

しかし、昨今のような不景気や物価高の時分には、「贅沢」は、少し後ろめたい消費を連想させます。

これを「自分へのご褒美」とすると、どことなく「福利厚生」のようなニュアンスになります。

  • 頑張ってるんだからご褒美は必要よね
  • これは必要経費みたいなものよね

と。

ただし、ターゲットによるかもしれません。

バブル期に青春を過ごしたご婦人は、「贅沢」と言われた方が刺さるかもしれません。一方で、子育て世代には、「自分へのご褒美」と言われた方が抵抗がないでしょう。

買い物→投資

ハンドメイド作家が使うシーンはあまりないのですが、「買う」と伝えるよりも、「投資する」と言った方が、響きが良いですね。

「買う」は、フラットで特に何の印象もありません。

一方で「投資」は、元手以上にリターンが返ってくる感じがします。払ったお金は消えて無くなるのではなく、より価値あるものに変わるイメージになりますね。

歳をとる→年齢を重ねる

「歳をとる」は、「老ける、衰える、輝きを失う」といったネガティブなイメージを想起させます。

一方で、「年齢を重ねる」は、「味わいが増す、経験値が上がる、豊かで洗練されていく」のような、ポジティブなイメージを想起させます。

「歳をとっても美しく」よりも、「美しく歳を重ねる」と伝えた方が、随分とポジティブな印象に聞こえると思いませんか?

手に入れる→取り戻す

こちらは、単に響きの違いだけでなく、心理学的にも明確に違いが出る表現です。

「手に入れる」は、「新たに得て、得をする」という意味合いになるでしょう。

一方で、「取り戻す」は、以前に持っていて失ったものを取り戻すわけですから、「損失を埋め合わせる」のような意味合いになります。

人間の脳には「損失回避性」が備わっており、損失により強く反応します。

「家族の絆を手に入れる」よりも、「家族の絆を取り戻す」と言われた方が、グッと来るのです。

トランプさんもそんな感じじゃないですか?「アメリカを強くする」じゃなくて、「強いアメリカを取り戻す」って言ってません?

「ハンドメイド」という言葉の印象は...?

微妙な話題をぶっ込みます。

「ハンドメイド」という単語は、「手で作った」という意味でしかないはずですが、どことなく素人臭さを感じる表現。主婦の横好きっぽいニュアンスがあります。

何ででしょうね?

実際に、素人臭い人が、「ハンドメイド」と称して活動をしていたシーンが、記憶のどこかにこびりついているかもしれませんね。

これが、「ハンドクラフト」と言われると、もう少し工房や専門的な工具の印象を受けます。ただ、木工や革製品のような、硬派な作品を連想させます。

「ハンドクラフトアクセサリー」と言われると、ネイティブアメリカンのような無骨なアクセサリーが頭に浮かびます。

他の肩書きでも良いんじゃない?

これは常々言っているのですが、手で作っているかは、割とどうでも良いこと。

お客さんからしたら、その作品によって、人生や生活にポジティブな変化が起きることだけが価値。「手作り」であるかどうかは、ほとんどのケースで関係ありません。

手で握った寿司でも、機械が握った寿司でも、味が同じならどちらだって構わないでしょう?

意味があるのは、手作りでしかできない表現であったり、工場生産のロットには見合わないようなニッチなデザインの方でしょう。

正直なところ、「ハンドメイド作家」と名乗る意味は、あんまりない。

  • 「ジュエリーデザイナー」
  • 「動物刺繍アーティスト」
  • 「ネオン管クリエーター」

のように、もっと具体的な肩書きをつけても良いように思います。

この話を微妙にしづらいのは、多くの作家さんが現在進行中で「ハンドメイド作家」と名乗っているからですね。

肩書きやプロフィール文は書き換えれば良いのですが、アカウントIDに「handmade」と入っている作家さんも多いですね。

IDはリンクにもなっていますし、ちょっと動かしづらい。

まぁ、IDは見なかったことにして、そのままでも良いでしょう。肩書きが変わっただけでも十分です。


今回は、ちょいと語彙を変えることで、もっと力強い印象を与えようという話でした。

ちょっとした単語の変化が、印象を大きく変え、売り上げを大きく変えることもあるのです。

ときに、各文章の役割の重さには軽重があります。

  • より大きなフォントで書かれる文章
  • より早い段落で登場する文章

が、より重い意味を持ちます。

キャッチコピーや作品名は、特に重い

軽い箇所まで根を詰めても大変ですから、とりあえずは、重い箇所で使われている言葉遣いを見直してみてくださいね。

なお

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