こんにちは。なおです。
ブログに書いてある記事は、「やったらプラスになる」と、ある程度確信を持っている内容だけを載せています。
ただ中には、確信までは行かず、試しに自分でやってみたいなと思う施策もあります。そういうのは、記事には載せていません。
が、「そんなゆるい話もしていいのが、このメルマガじゃなかったっけ?」と思ったので、こっそり書いてみようかと。
それが、表題の「五感ブランディング」です。
「ブランディング」を簡単に
本題の前に、ごく簡単に「ブランディング」についておさらいしましょう。
「ブランド」とは、お客さんが商品や会社に対して持つ「イメージ」のこと。
自社ブランドにふさわしいイメージを、狙ってお客さんに植え付ける活動の全てが、「ブランディング」に含まれます。
「ブランドロゴ」や「ブランドカラー」に限らず、お客さんは、どんな形であれブランドとの接触によって、何かしらの印象を持ちます。
お客さんとブランドの接点の印象をコントロールすることは、何であれ全てブランディングの範疇になります。
ブランドアセット
「ブランドロゴ」や「ブランドカラー」は、ブランドアセットとも呼ばれています。
ブランドカラーを例にすると、
- 色の持つイメージを、ブランドに付加する
- その色によって、ブランドを認知・想起させる
が、役割になります。
例えば、JT(タバコ)とJRA(競馬)は、「グリーン」がブランドカラーです。意図がわかりやすくて、クスッとしますね。
もちろん、色だけじゃありません。
フォントには、そのフォントの持つイメージがあります。ロゴのモチーフにも、そのモチーフのイメージがあります。そのイメージを、ブランドに憑依させるんですね。
そして、ブランドアセットによって、ブランドを記憶してもらう。
吉野家の「オレンジ」を見ると、一緒に牛丼とその味を思い出します。人によっては、それだけで吸い込まれてしまうかもしれませんね。
あ、そうそう。ボクも、「紺」と「赤紫」のグラデーションカラーを多用しています。この色で「なお」を覚えてもらい、またこの色で「なお」を思い出してもらおうという魂胆です。
五感ブランディング
前段はここまで。
ときに、「ブランドカラー」も「ブランドロゴ」も「フォント」も、「視覚」へのアプローチですよね。一般的なブランディングって、視覚ばかりがフォーカスされるんです。
人間は目だけじゃなくて、他の感覚器も使って世界をとらえています。
あとの、「嗅覚」「味覚」「聴覚」「触覚」は、どこ行った?
「他の感覚器にもアプローチしようぜ?」ってのが、五感ブランディングです。
飲食ブランドは、意識しているか否かはさておき、五感の全てを刺激しています。「マクドナルド」や「コカコーラ」は、非常に強いブランドだろうと思います。
ハンドメイド作家だと、「味覚」は難しいですが、他3つはタッチ可能だと思います。
嗅覚
いま住んでいる家の近くに、鰻屋さんがあるんです。で、これでもかと蒲焼の匂いを出しちゃってくれやがるわけです。
その度に誘惑されるのですが、冷静に考えると疑問が浮かびます。
「うなぎを焼く匂いって、本当に美味しい匂いなのか?」
「もし、うなぎを食べたことがなかったら、この匂いで食欲をそそられるのだろうか?」
しょっちゅう嗅いでるから気づくのですが、「上品な焦げた匂い」と言えなくもない。それ自体が、美味しい匂いかどうかはクエスチョンです。
実態としては、匂いがトリガーになって、過去うなぎを食べた満足体験を思い出し、「ああ、食べたいなぁ...」と思っているんじゃないですかね。
中高生の頃、よく行っていた渋谷の服屋さんがあったのですが、そこが甘ったるいお香を焚いていたんですよね。別に好きな匂いではなかったです。
でも、あの甘ったるい匂いを嗅ぐと、なんだか「渋谷に来たなぁ」と思うんです。今も甘ったるいお香を嗅ぐと、渋谷や中高生の頃の自分を思い出すんです。
この「匂い」によるトリガーは、ハンドメイド販売にも活かせると思います。
例えば、同梱するカードなんかに、軽く香水を振っておく。開封した瞬間(ハンドメイド作品の購入体験におけるピーク)で、フワッと香る。
次に買っても、やっぱり同じ香りがフワッと来る。「ああ、またこのお店で買い物したんだなぁ」と心に刻んでもらう。
と、こういう話ですね。
ブランドのイメージにあった香りの選び方は、全くわかりません。調べたこともありません。どうにか選ぶとして、大事なのは同じ香りを使い続けることかなと。
ただ、この話を奥さんにしたときに、「匂いを嫌がる人もいるのよねぇ」と。それは確かにあり得る。香水当たり前の文化の国でもないですしね。
聴覚
「いすゞのトラック」や「資格の大原」は、ボクが小学生の頃からずっと同じテーマソングを使っています。懲りもせず、飽きもせず、ずっと同じ曲を。
でも、そのテーマソングを耳にするだけで、ブランドの存在を思い出しますよね。
ボクはトラックも資格学校も買ったことはないのですが、もし買うとしたら、真っ先に浮かぶのは、「いすゞ」や「大原」だと思います。
もし、流行りの曲にコロコロ変えていたら、そこまで印象に残らなかったでしょう。
ハンドメイドの場合は、(作品自体が独特の音を発する場合を除けば)SNSで使う音源がこれに当たると思います。
どうでしょう?
なんとなく、Mrs. GREEN APPLEさんの音源をよく聞くような...
まぁみんな好きですしね。でも、あなたのブランドとMrs. GREEN APPLEさんの曲で、イメージが合致しているとは限りませんよ。
あと、他の発信者と被りがちですし、Mrs. GREEN APPLEさん自体があまりにも有名すぎて、あなたのブランドと紐づくのかという懸念も。
それよりは、もっとニッチで被らない曲の方が良い気もします。やったことはないんですが、AIでオリジナルテーマソングとか作れたりするんですかね?
YouTuberは、著作権フリーで使える「NCS (NoCopyrightSounds)」を使っていたりしますね。
ただ懸念もあって、Instagram公式が、「トレンドの音源を使うとアルゴリズムに有利」的な発言をしています。ふーむ。
長い目でブランディングをやるなら、自分しか使わなさそうな少数の曲を、しつこく使い続けるのが良いと思いますが...。
インプレッションが少ない段階においては、トレンド音源の方が有利な可能性は否めませんね。
触覚
特徴的な手触りを持っている作品なら、すでに触覚のブランディングは達成できているかもしれません。
例えば、「和紙」の作品で独特の手触りがあれば、その感触もブランドの一部になっているでしょう。
作品自体にわかりやすい手触りはなくても、「パッケージ」や「カードなどの同梱物」で達成することもできます。
iPhoneのパッケージは、光沢があってツルッと手触りですね。あのツルツル感も、Appleのブランドの一部になっています。
なんにせよ、特徴的な手触りが良いですね。Appleのように「ツルツル」だったり、あるいは「ゴワゴワ」だったり。凹凸があっても良いですね。
あ、そうそう。紙は厚めで、重さがあった方が印象に残りやすいというデータもありますよ。
ブランディングの一環として、ちょっと高めの紙を使って、手触りに特徴をつけてみてはいかがでしょう?
あとはお任せします
今回話した内容は、どこまで意味があるか微妙なところです。
とは言っても、妄想ではないですよ。ちゃんとソースがある話で、事例もあります。ハンドメイド販売との相性を測りかねているだけです。
おそらくプラスではあると思うのですが、かけるコストに見合うプラスが出るのかは不明。それに、短期では効果を確認できないでしょう。
「意味がある」と、信じて(というより、信じられたら)やり続ける類の施策ですよね。
やってみるかどうかは、お任せします。うちも、どこまでやるかはわかりません。
もし、「私やってるよ!」という作家さんは、ぜひどんな感じか教えてくださいね!