【なお】魔法の数字「3」にまつわるお話


「3」は魔法の数字。

こんにちは。なおです。

ビジネスにおいて、「3」は実に使い勝手の良い数字です。

実際、「ポイントは3つあります!」というフレーズは、頻繁に耳にすると思います。これは偶然ではありません。

  • 作品のグレードを何段階にしようか?
  • オプションは何種類にしようか?
  • セールスポイントは何個語ろうか?

特に理由がなければ、「3」を使うのがオススメ!

「3」は頭にスッと入ってくる数

なぜ「3」が魔法の数字かと言えば、「3つ」までが、短期記憶が覚えていられる数だからです。

記憶には、「長期記憶」と「短期記憶」があります。

長期記憶は、家族、友人、仕事関係の人、有名人など、多くの顔と名前を覚えています。長期記憶に定着する情報の数に、限りはありません。

一方で、初見のアイドルグループのメンバーの顔と名前をパッと見せられて、その場で何人覚えられるでしょう?

10人?まずムリですね。

これが短期記憶です。

余談ですが、ボクは新卒の頃に、配属予定の部の飲み会に参加したときのこと。その部には、ボクを除いて20人いました。
余興的な感じで、「この飲み会のうちに、先輩の顔と名前全員覚えとけ。帰る前に発表してもらうから」と言われてしまったのです。
短期記憶ではまず覚えられません。飲み会の2時間のうちに永遠と脳内で顔と名前をリピートして、何とか長期記憶に持っていくことに成功しました。
(※「反復」は、情報を長期記憶に焼き付ける方法の1つです)

短期記憶は、「お盆」のようなものを想像してもらえればと。

お盆の上に乗る皿の数しか、頭の中に置いておけません。上限を超えてしまった情報はこぼれてしまい、わけわからなくなってしまうのです。

そして、そのお盆の大きさは、それほど大きなものではないんですね。

マジカルナンバー

では、短期記憶には、いくつの数を置いておけるのでしょうか?

心理学の「マジカルナンバー」という理論では、当初「7±2」と言われていました。つまり、短期記憶に残せる情報の数は、「5〜9」ということです。

「電話番号の桁数」や「七不思議」や「七つの大罪」は、記憶できるギリギリの数と言えるでしょう。

しかし、このマジカルナンバーは、のちにより小さな数の「4±1」が提唱されるようになりました。つまり、瞬間的に覚えていられる情報の数は、「3〜5」です。

スマホのタブメニューの数は、大抵4つか5つ。
6つ以上は、よくわからなくなってしまうのです。

というわけで、下限の「3」までが、万人に覚えやすい数というわけですね。

認知負荷の話

他には、こんな実験結果も出ています。

被験者に、モニターに映った点の数を、素早く答えてもらいました。

点が「1つ」だと、当然すぐに答えられます。
「2つ」「3つ」でも、さほど変わらず素早く答えられます。

ところが、「4つ」になると、途端に回答スピードが下がるのです。

つまり、脳が負荷なく数えられるのは「3つ」まで

感覚的には「1、2、3、...たくさん!」なんですね。

ちなみに、ボクはこの実験の話を聞いたとき、とても興奮しました。
あなたはどうでしょう?(してないだろうな、多分w)

「3」じゃない方が良いシーン

というわけで、いくつ用意するかで迷ったら、「3」を使いましょう

え?何を用意するときの話かって?

何でもですよ。何だって、「3」が良いんです。

しかし、この「3」を使うシーンは、その3つを相手に理解してもらったり、吟味してもらったりするためのもの。

一部の例外的なシーンでは、「3」を使わない方がヨシとされます。

「たくさん」をアピールしたいとき

「たくさんあって凄いんだぜ」をアピールしたいときは、むしろスッと入ってこないくらい大きい数を見せつける方が効果的です。

例えば、次のような類です。

  • 「付録」
  • 「特典」
  • 「導入事例」
  • 「栄養素の種類」
  • 「制作の複雑な行程」

マジカルナンバーの上限が「9」ですから、「10以上」だと良いですね。

「豪華10大付録つき!」みたいな感じです。

ただ、脳はなぜだかわかりませんが、「奇数」を好む傾向があるんですよね。

奇数の方が作為のない数字に感じるのか。「好きな数字を思い浮かべてください」と言うと、8割の人が奇数を思い浮かべるそうです。

なので、「11」「13」を使えるとベストだと思います。

選ぶ楽しみを価値とする場合

この理屈で言うと、作品のラインナップの数もあまり多くない方が良いことになります。一般論としては、全くもってその通りです。

種類が増えるほど、お客さんは吟味が難しくなってしまい、購入を先延ばしにする傾向があるからです(その先延ばしが永遠に続くことになるわけですが...)。

しかし、これも例外があって、「選ぶ楽しさも含めての商品」とする場合は、数を制限する必要はありません。むしろ、増やした方がお客さんは喜びます。

わかりやすいところで言うと、ある種の「カラーバリエーション」は、多い方が良いケースが存在します。

フィギュアやトレーディングカードのようなコレクターズアイテムも、種類は多い方が良いでしょう。

しゃぶ葉のタレの種類も、多い方が楽しいでしょう?

クロージング

クロージングは、いざ購入する段階を意味するビジネス用語です。

手慣れたセールスマンは、最初こそ選択肢を用意していても、最終段階では「お客様には、こちらがオススメです」と1つだけ提案するのです。

いざ買う瞬間には、むしろ迷わせないために、余計な選択肢をチラつかせない方が良い。

「オススメはこの3つ!」は、素人セールスのやること。お客さんは、自分に合った最高の選択肢だけをドンピシャで勧めて欲しいのです。

お医者さんにかかったら、そう思うでしょう?
自分に合った処方薬をバシッと決めて欲しいじゃないですか?

対面の場合は、買いそうなお客さんに対しては、1つを選び取れるように導いてあげると良いですね。

販売ページのような文章では、この作品を「買うor買わない」が、瞬時に判断できる文章が良いですね。つまり、良い点も悪い点もハッキリ伝えて、「この作品はこういう人のためのものなんだ」と、明示的に伝えてあげるのです。


というわけで、今回は魔法の数字「3」にまつわる話をしてみました。

脳死で使って良い類のテクニックなので、良かったら使ってみてくださいね〜🖐️

なお

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